アーチェリーの初心者講習会や体験会、あるいは観光地のアトラクションで使われるのは、初級者用の樹脂製または木製ハンドル、とリムのセット。
このセットだと1万円台前半ほどだろう。
小学生ならまだしも、大人の場合、最初に買うにはいいが長くは使えない(使わない)。競技を前提にするなら耐久性が劣るし、初心者の時点で引ける弱い弓なら、いずれ強い弓へ買い換えるだろう。 買い替える事を前提ならよし。
金属製のハンドルを買って、リムは安いもので組み合わせてもよし。 ポンドアップ(強い弓へ変えてゆく事)でリムはいずれ買い替えるだろうから。 ハンドルとリムは他社製品同士でも 互換性のある物も多いので、借りたりもできる。アーチェリーショップによっては有料のレンタルリムもある。
値段は初めての人が買いそうなあたり、おおよその値段。周囲の人に、どのへんがオススメか聞いて参考にするのもいい。
なお高校・大学等のアーチェリー部では週5日とか練習賞が多く、明確な目標(全国大会・インターハイ・リーグ戦など)が存在するので、購入する弓具はもっと高価な場合が多い。
久しぶりにハンドルやリムの値段を調べてみたが、ものすごく高騰してた。というか高額モデルがたくさんあった。
リムが20万円強とか、誰が買うの? どんなトップ選手用? メーカーごとのトップモデルが6万とか7万とか、高くても10万くらいで買えた時代に戻ってほしい。
日本では俗に「ハンドル」、欧米では「ライザー」と略する。
この写真では赤い部分。サイズがいくつかあり、リムのサイズとの組み合わせで弓全体の長さが変わる。
グリップのフィット感が大切なので、カタログ等だけで決めず、店で見本を握ってみるか、周囲に使用者がいれば握らせてもらい、自分の手に合ったものを選ぶと良い。なお、左用は生産量が少ないので右用より割高。安価なモデルだと「左用はございません」だったりする。
金属製 15,000円くらい〜
●リム
上下一対。コア(芯)はウッド、フォームが一般的。外側はグラスファイバーからカーボン素材まで値段により、色々。「グラスリム」「カーボンリム」と言うのは、外側の素材を指して言う。昔はカーボンリムは高価な物しか無かったが、最近では安価なウッドコア・カーボンリムもある。
そしてリムはバネにあたる部分なので、使用するうちにだんだんヘタる(反発が弱くなる=弓が弱くなる)。どれほどの期間でヘタるのかは、材質や、使用者のリーチ(腕の長さ)、練習量など複合的な要素で違うが、長く使うのなら、いずれは買い換える物だ。
15,000円くらい〜30,000円台で十分。
● ストリング
弓の弦。初心者にはダクロン弦を勧める。
ファーストフライト、マジェスティ、X99とか、高分子ポリエステル製の物は、返り(弦の戻り)が早く、初心者だとリリースが持って行かれやすい。
また安価なグラスリムは、ダクロン使用を前提にしているらしくて、高分子ポリエステル製だとリムが傷みやすい(ヘタりが早い)そうだ。
ただ最近は安価なカーボンリムがあるので、それを購入するならダクロンじゃなくてもいいのかと思う。
同程度の値段のリムなら、グラスよりカーボンの方が反発いいから断然いいでしょ。
ダクロン弦なら1,000円〜
やる気があるなら原糸とサービング糸、ストリングサーバー等を買って自作も可。原糸ひと巻きから何本か作れるので割安。
が、技術と慣れが必要。めんどくさいよ。
●ノッキングポイント用の、なにか
弦に矢をセットする際に必要なノッキングポイント、これは自分で付ける。専用の糸もあるが、使用するのは何でもいい。絹糸、デンタルフロス、お古のストリングをほどくとか。最初は周囲の人に聞いてみれば、サービスで糸もらえるんじゃないかな。
専用糸は一巻き買うだけで、一生かかっても絶対に使い切らない。
●ストリンガー
ストリングを張るために使うヒモ。両端にリムの先端(リムチップ)を入れるポケットが付いてる。
1,000円くらい〜
●Tゲージ
セッティングやチューニングの際に使用するT字型のモノサシ。色々と使うので必要
1,000円〜
●レスト
矢を弓にセットする時に乗せる台。プラスティック製から金属製まで。
初心者ならプラスティックのホイット・スーパーレストが安心。
なお同額程度のホイット・ハンターレストがあるが、勧めない。
息子が幼い時に使用したがプランジャー穴なんて無い弓で、何度か使っているうちにレストの横の部分の出っ張りが摩耗していき、矢の方向性が変わってしまった(右用なので摩耗した分、矢が右向きに)。摩耗していく期間は驚くほど短かった。ちっちゃな子の、よわーい弓なのに。
文字通りハンティング用なので、1日ごとに張り替える物なのだろうと推察する。
(アメリカではハンティングの方が大多数)
今の素材が変わっているかは不明だが、わざわざ試す気にはなれない。
300円くらい〜
●サイト(照準器)
ハンドル直付け(サイトブロックは外せる)の1,000円程度からある。
しかし矢を放った時にストリングがリムを叩き、この振動でサイトブロックやサイトピン等のネジがゆるむ。気づかずに射っていると、サイトブロックがポロリと落ちたりする。
セパレート型の安価なサイトもあるが、ネジがゆるむのは同じ。
そのつど、ネジを締め直して。これがけっこうなストレス。
そのつど、ネジを締め直して。これがけっこうなストレス。
子供ならまだしも、大人なら1万円台以上のしっかりした物を選んだ方がいい。
高価なサイトは、ネジゆるまない! さすが高いだけのことはある。価格のケタが違うもんね。
●クッションプランジャー
「プランジャー」で通じる。矢の直進性を高めるための部品。貸し弓には付いてない事が多いが、マイボウなら欲しい。
2,000円くらい〜
●センタースタビライザー(センタースタビ)
センターロッドとも言う。
ハンドルからニョキッと前に生えてる長い棒。俗に「スタビ」と略している。振動吸収のため。アルミ製からカーボン製まで。
5,000円〜
●ボウスタンド
弓を立てておくための台。安価な物から高価な物まで。FIVICSのスタンドなんて無骨ですっごくカッコいいけど15,000円超える。欲しいよー! でも点数に関係ない物に万札使う気にならないよー。
誰か私にちょうだい。
2,500円くらい〜
● 矢
アルミ製、カーボン製、アルミ・カーボン2重構造など。 シャフト(矢本体)、ポイント(先端)、ノック(弦に挟む部品)、ベイン(羽根)は、サイズ・種類がありバラ売り。また、シャフトカット、羽貼り、ライン引き等は加工料がかかる。
自分の好きな物を選んでセッティングしてもらう。
安価な半完成矢もあるが、サイズは少ない。シャフトカットして、別売りのポイントを自分で装着する。
1本ずつ購入できるが、1ダースで買う事が多い。1エンド(1回)で6本射つから、少なくとも他に予備矢が2〜3本は欲しいから。
試合やってると、羽根が切れた・取れた、ポイント凹んだ、継ぎ矢された等で予備矢が絶対に必要。
ネーム入れも有料だが、自分でやるより頼んだ方が仕上がりがキレイで長持ち、と思うのは自分が大人だから?
学生は油性カラーペンで自分で書いてるよね。公認大会(いわゆる公式戦)には矢にネームと通しNo.が必要。
最近は安価なオールカーボン矢があるので、値段を考えてアルミ矢を選択する人は激減した。
矢の購入については、そのサイズ選択がむずかしい。 弓の強さ(実質ポンド)との関係でサイズが変わる。 買い替えを前提としたポンドのリムを購入の場合、ジャストサイズの矢だと、再び替える必要になるので、少し硬めの矢を選ぶ。 この辺の事は、個人によって状況が違うので、周囲の人にぜひ相談を。借りられる物があるなら、借りましょう。
完成矢1ダース 15,000くらい〜
●クィーバー
矢を入れて、腰から下げる筒。安価な物は間仕切りが無いので不便。どうせ買うなら仕切りのある物を。自作も可能。専用ベルトもあるが、何でも良い。
2,000円くらい〜
●ボウケース
ソフトケース、ハードケース、バックパック型など色々。
ソフトの安価なものは小さくてハンドルとリムしか入らない、とか、内部にクッションになる物が無い場合も。ある程度しっかりした物を選ぶといい。
ハードの方が、弓本体は守れると思う。重くて高価だけど。日本メーカーだとシブヤかハスコか舘林製作所の3択になる。舘林が価格は一番安い(最新のは軽くなってた)。
私は軽いのがいいから、ハスコ派。
注意:ハードケースの場合、背の高い人(リーチの長い人)で矢の長さが31インチとかだと、ケースに収まらない事がある(仲間内でひとりいた)。買う前に、自分の矢が収まる寸法か確かめておくといい。
ソフト 5,000円くらい?〜
ハード 30,000円超え〜
●ハンドルカバー、リムカバー、スタビカバー類
ハンドルやリムをケースに入れる際に、生身では入れない。傷付かないよう、それぞれの袋に入れる。
新品商品購入時にカバーが付属のこともある。 店で購入も可能、自作も可。
生地素材は、タオル地やキルト地、厚手のキャンバス地など。
各1,000円くらい〜
●スコアノート又はスコアブック
別に小型の手帳でもいいけれど。練習の時も点数とってね。天候や風向きも書き加えて。その日のチェックポイントとか書いておくと、後々、役に立つ。
「弓具店って行ってみたいけど何にも買わないのも気が引ける」と思うなら、これ買えば良いのでは? ついでに色々弓の事を相談してみては? 200円〜
後になれば、Vバー、サイドロッド、クリッカー等が必要かもしれないが、最初はいらないでしょ。
なお以上はリカーブボウについて。
ベアボウ希望であれば、サイト、スタビライザーは不要。
●弓の買い替え:弓具一式とは
とりあえず最初だから、高い物はちょっと考えてしまう。長く続けるかどうかもわからないし。
それなら、安価な物から始めてみるのもいいと思う。レベルが上がってから買い替えればいいんだし。あるいは、弓買うほどじゃないけど続けたいなら、割高だが貸し弓のある民間のアーチェリー場に通う手もあり。
弓具一式、すごく大雑把に言って、初心者用 5~7万、ローエンド 12~13万、ハイエンド 20~30万くらい⋯⋯と思っていたが、最近の高額モデルだと40〜50万くらいになるじゃん! ありえないわー。
一式とは、今までに書かれている「細々とした物全部」を含んでいる。
高価な物に買い替える場合でも、全部が必要なわけではない。弓本体だけを買い替えるなら、その金額だけで済む(ただ、ポンドアップした場合は矢も買い替えが必要になる事がある)。
道具はとにかく種類が多いので、どれを選ぶかで総額は大きく変わる。
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