1964年の東京パラリンピック2

2025/10/28

歴史

(あばうとアーチェリー 2019年2月)

 さて2回目、歴史の旅にようこそ。 今回も長いよ。
 当時の新聞も見てみたくて、図書館で縮刷版しゅくさつばんを探してみるが、なんと宇都宮市では中央図書館でしか置いてなくて、しかも現在施設工事中。12月から今月の下旬まで閉まってる! うーん、残念。まあどのくらい古い縮刷版が置いてあるかは不明だけど。
 あ、読んでるあなた、新聞縮刷版の意味はわかります? 元の新聞のサイズを小さくして印刷、月ごとなどで1冊の冊子にしている分厚い本。たいていは図書館に閲覧用で置いてある。なんと近年は電子化されてDVDになっている!
 近所の図書館で職員に尋ねてみたら、お若い方は「縮刷版」の意味がわからなかった。これこれこういうやつって説明したら、横にいた年上の職員が「それなら中央図書館に」と。
 新聞縮刷版で過去の記事を調べるなんて、やった事ない人が多いんだろうな。だから存在を知らない。今どきならネットが中心だから特に。
 何冊か関連本を借りたけど、児童書が意外とあった。まあ内容はざっくりね。

パラリンピックの本

 話が脱線したが、半世紀以上昔の1964年東京パラリンピックの実施競技は以下の通り。
 ・アーチェリー
 ・ダーチェリー
 ・バスケットボール
 ・陸上競技(車椅子スラローム・60m車椅子競争・40m×4車椅子リレー・槍正確投げPrecision javelin・槍投げ・砲丸投げ・円盤投げ・棍棒投げ・五種競技)
 ・重量挙げ
 ・スヌーカー(ビリヤードの一種)
 ・卓球
 ・水泳
 ・フェンシング
 なんとこの中でアーチェリー競技の他に、アーチェリーを使用している競技があったのだ!

ダーチェリー Dartchery

 ダーチェリーは、ダーツとアーチェリーを組み合わせたスポーツ。ブラウザの直訳だと「投げ矢」になるけど、違う。矢を投げるわけじゃなくて、普通にシューティング。的紙がダーツなだけ。距離は20ヤード(18.28m)とある。
 あなたは、アーチェリーショップの的紙のページで見た事はありませんか? ダーツ的のやつ。あれ!(最近は見ないけどね)面白い物があるなーと思っていたけれど、製造・販売できる程度には需要があったって事。知らなかったわー。
 パラリンピックでは1960〜1980年まで採用されていた。
 大きな競技会はないが、現在でもレジャーとして楽しまれているよう。



 アメリカにはダーチェリー団体もある。

 そして、なかなか気づかないのが陸上競技の、これ!

五種競技 Pentathlon( ペンタスロン)

 前回の資料とした東京パラリンピック大会報告書の競技日程を見ていて、気づいた。
「11月9日 五種/アーチェリー」と、あったのを!
 急ぎ、調べてみる。五種競技って、なに?
 Pentathlon(WIKIPEDIA:英文)
 五種競技(古代五種)は、近代五種 modern pentathlonとは別物。古代オリンピックから採用され、近代まで競技内容を変えて開催されていたが、現在はない。
 陸上競技ってクセモノだよね、範囲が広すぎて。「陸上競技が採用されてます」とあっても、じゃあその種目は何?という事がハッキリしない。
 いや、クセモノというよりは扱いが雑なのかな。いろんな種目があるんだから、もっとちゃんと教えて欲しい。 1964パラ五種競技の結果(五種競技は男子のみ)はメダリストの名前はあっても、その競技内容については無い。ただ、ペンタスロン1・ペンタスロン2・ペンタスロン スペシャルクラスの3つのクラスがわかる。おそらく障害の度合いで違っているのではないだろうか。
 いろいろ英文も検索してみたが、どうも古代五種という競技自体がマイナーなようで、種目が詳細に書かれているものが見つからない。現在はオリ・パラ、どちらでも採用されていないのも理由かも。近代五種に変わってしまったから?

 ちなみにオリンピック五種競技の内訳は以下の通り。
男子:走り幅跳び、円盤投げ、槍投げ、200m、1500m
女子:砲丸投げ、走り幅跳び、走高跳び、200m、80mハードル
 これに対してパラリンピック五種競技は、1964年の競技日程からわかるのが、フィールド競技、アーチェリー、水泳の3つ。残りの2つは?
 つまり、どれかの競技で複数種目って事でしょう。そう、ここでまた詳細がわからない。
 陸上競技はフィールド競技とトラック競技に分かれている。日程にあった、
「11月8日 五種/フィールド競技」
だけじゃ、何をやったのか不明。上記のパラリンピック陸上競技の種目の中から五種競技を除くと、
 車椅子スラローム
 60m車椅子競争
 40m×4車椅子リレー
 槍正確投げ
 槍投げ
 砲丸投げ
 円盤投げ
 棍棒投げ
とあるわけで、その中でフィールド競技になるのは、槍正確投げ・槍投げ・砲丸投げ・円盤投げ・棍棒投げの、投てき競技。おそらくは、この中でどれか3種目が五種競技に含まれるのではないかと予想する。

 なぜなら11月9日の五種競技は、午後3時半からアーチェリー、午後9時から水泳となっているから。同日に2つの競技があり、そこで複数種目をこなすのは体力的に難しいと考える。
 とすると前日の8日はフィールド競技だけなので、そこで投てき3種目、が妥当ではないだろうか。
私の予想する1964年東京パラの 五種競技:投てき3種目・アーチェリー・水泳!
 アーチェリーの事を知りたいだけなのに、調べるのが非常に広範囲になってしまった。
 で、ようやく本題。以上のように五種競技でもアーチェリーはあるが、なんせ五種の種目すらハッキリしないから、アーチェリーがどんな内容なのかなんて、まるで不明。
 が、五種のスポーツを色々こなす事を考えると、そうそう一つの種目に練習時間は当てられない。アーチェリーはセント・ニコラス ラウンド(詳細は前回を読んでね)あたりじゃないのかなぁ?と想像する。
 それでもアーチェリーが含まれていた事が、驚きではある。やっぱ、パラ競技の最初で歴史があるから?
 アーチェリーはパラ競技の花形なんですよ!と、いう事にしといて。

(追記:2025年10月)
 今回更新にあたりチャットGPTに調べてもらったが、私が調べたのと同様の事しかわからなかった。しかし記事を読み込ませると、私の五種競技の予想に対して関連ありそうなページを教えてくれた。1959年の国際ストーク・マンデビル大会の記事だ。
International Stoke Mandeville Games 1959: The Multi-sporters try the Pentathlon for the first time
ここにペンタスロンとして、アーチェリー、槍投げ、棍棒投げ、砲丸投げ、60メートル水泳と記載がある。アーチェリーの得点は不明となっているが、5種目がわかった。とすれば、1964年のパラリンピックも同様だった可能性が高い!
(追記ここまで)

 しかしパラ五種競技の採用は、女子は2000年(1964年以降に女子にも採用されていたのだろう)、男子は2008年まで。しかも2004年はアーチェリーは種目から外れている。それより前の資料は見つからず、いつ頃、五種競技からアーチェリーが外れたのかも不明なまま。
 なかなかパラリンピックの資料って、ない。英文検索しても。オリンピックなら英文公式レポートが見られるけど。

 さて2回にわたって1964年東京パラリンピックでのアーチェリーを記述して見たが、どうだろうか? ふとした疑問から調べてたが、私は非常に面白かった。
 調べれば調べるほど謎が謎を呼んで、Webブラウザは山ほどのウィンドウとタブばかりになったけど。知らない事を追求するのは、面白い。

 さて、最後にこちらを。短い動画。ダーチェリーの場面もあるよ。
 開会式なんて、地方の地域運動会のよう。当時のオリンピックに比べると予算の少なさを感じずにはいられないが、ほのぼのして微笑ましいとも言える。
 さあ、絶対に2020東京オリパラ、観に行くぞ!

2025年追記:
 ⋯⋯しかし、2019年から世界に蔓延したCOVID-19の影響で、2020年のオリンピック・パラリンピックは1年延期となり、2021年に無観客での開催となった。
 私はアーチェリーのチケットを払い戻され、ネット観戦となった。
 あーあ、もう生きてるうちに日本でオリ・パラ開催されないねー。残念。

はじめに

3度目の場所は、ここ

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