マイナースポーツのアーチェリー、アーチェリー部がある学校は少ない。
中学校:それがあるのは、かなり稀。そもそも学校単位で動くスポーツ競技を統括している(公財)日本中学校体育連盟に、アーチェリーは加盟してないから。扱いは「参考競技」。私立の中高一貫校だとアーチェリー部があったりする。そうでないなら、地域団体で大人に混じっての活動となる。親の協力なくては成り立たない。
そう多くはないが、小中学生アーチェリー大会もある。もちろんある程度の距離が射てるならば大人に混じって大会参加も可能だ。
高校:「それなりに」ある。「それなり」だから通学範囲が狭い高校生の場合、自分の地域内にあるかというと、そうでもない。
無いなら、創ろう! よし、新たにアーチェリー部を創るぞっ!って、まったくもって楽じゃない。
運動部で、しかも高価な道具を使うアーチェリー、射場だって広いスペース必要だし。やりたい生徒を集めて、協力してくれる先生に顧問をお願いして、それでもすぐには部にはしてもらえない。
栃木県内の県立高校だと、同好会を作って3年活動すると部として認められるのが多いそうだ。でも高校によって違い、5年経たないとダメって所もあるそうな。5年じゃ、設立時の生徒、残ってないじゃん!(アーチェリー部創設の時に聞いた話なので、文化部も同様かは不明)
基本、積極的に動いてくれる教師が顧問でないと、どうにもならない。アーチェリーゆえの安全確保とか、射場をどうするかとか、大人が動いてくれないと話にならない。
逆の立場で、教師がアーチェリー部を創る事がある。もちろんその教師は長くアーチェリーに関わってきた人で。公立高校の場合、異動によって学校を移る。顧問教諭が異動すると、そのアーチェリー部が消える(廃部)になるっていうのは、今までいくつか見てきた。学校側は「指導者がいないから」という理由で、アーチェリー部は消えてゆく。
生徒に勉強しろと言うわりには、先生も勉強して新しい事を始めるのは、まあ時間の無駄なんでしょうね。部活動は労多くて、手当は些少。アーチェリーじゃ、たいして学校の名前も宣伝できないし。
異動しちゃった顧問教諭は、その異動先でアーチェリー部を設立するために奮闘するんだけどね。情熱が枯れなければ。
さて高校野球部が甲子園を目指すように、高校運動部なら目指すのはインターハイ。高校にアーチェリー部が無いけどインターハイに出てみたい!って人、それは可能です。
私の息子は小さい頃からアーチェリーしてますが、高校生になった時も当然のように学校にアーチェリー部は存在してない。だいたい宇都宮市内にアーチェリー部のある学校、無いし。
しかし希望するなら、部活が無くても(公財)全国高等学校体育連盟(略称:高体連)アーチェリー専門部に個人登録は可能。個人登録でインターハイを目指す! 出られるよ、他を圧倒できる点数さえ出せば。
けれど色々面倒、手続きが。
1. これからアーチェリーを始めたい人は、まず地域のアーチェリー団体に登録・所属して、活動を始める。
その上で高体連に個人登録したいむね、団体運営者に相談して。おそらくは地域別にアーチェリーのコネクションがあるでしょうから高体連の窓口(都道府県の高体連:アーチェリー専門部)へ話が通ると思う。
2. 所属する高校が校外活動を認めてくれる事。
高体連へは個人登録であっても学校長の承認が必要。そして顧問も必要。だいたい担任教諭が顧問になるようだ(名ばかり顧問だけど)。ちなみに年間登録料は生徒個人の他に顧問の分も必要だが、当然それも保護者が出す。学校は1円も出してくれなかった。
ただ学校によっては「基本、認めない」場合もあるそう(面倒だからでしょう)。
この場合はインターハイあきらめて。高体連主催ではない、国民体育大会(現:国民スポーツ大会)を目指して。そして国体出場できたら、校長の前で「あーあ、インターハイも出たかったなー」と嫌味を言って(笑)
公立よりも、私立の方が、校外活動には寛容なよう。公立だと生徒側から話を振らないと何も始まらないが、私立は入学時に「校外活動をする人は申し出て」と担任から話が出たそうな(某S学院)。
仕事を増やしたくない公立と、学校の宣伝になるならドンドンやってよの私立の、立場の違いかな。
3. 通常の部活動と違って保護者も色々動かないといけない。
当然、1. にしろ2. にしろ、相談や話し合いは保護者が申し込んで話をしなきゃいけない。まずは担任を通して「校外活動していて、高体連に申し込みたいのですが」と話を通す。
で、その後は高校に言って話し合い。息子の時は、同席したのは副校長と学年主任と担任だったかな。「今まで、こんな活動をしてきてます。今後は、このアーチェリー場で練習し、指導者は誰で、年間試合予定は、これこれです」みたいに説明した。
地元の試合の場合は、当然送迎も必要だろうし、遠征の時だって引率教諭とは現地集合かもしれない(あるいは代理として保護者引率になるのか?)。
4. もちろん、試合に出る時は前もって学校に申請して、書類に学校長のハンコが必要。まあ高体連主催の試合って、そんなに多くないけど。
5. 近県への遠征費用とか、期待できない。自腹を前提で。インターハイに出場なら、少しは出るかも?
6. 部活なら「ユニフォームは、これです。値段は・・・」と知らされてお金を払うだけだが、個人の場合は自分でやらなきゃいけない。
規定のユニフォーム(名入れ)はスポーツ用品店で購入あるいは衣料持ち込みで、名入れ注文できる。また全ア連と高体連の服装規定は違う。高体連の方が、より厳格(ズボンに別色のラインが入ったからって、何の問題があるんだろう。それで点数上がるわけじゃなし)。
ざっと書いてみたが、個人活動はこんな風に色々と大変。基本的に、保護者の協力無しでは無理。面倒だけど、やってみたい!と思う人は、保護者の方に「お願いがあるんだけど」と切り出して。親子関係が良好でないと、むずかしい。
息子は個人登録だったが、やっぱり仲間がいないのが寂しかった様子。「アーチェリー部があれば良かったなー」とは言ってた。試合の時、他の生徒は皆、学校単位で集まってワイワイしているので、疎外感を感じるのかもね。
アーチェリー大好きなんだ、一人でもやるぞー!って人なら、アウトサイダーとして孤高に生きてみよう。
でも高体連の個人登録する生徒って、ものすごく稀。息子が2年生の時に「(公財)全国高等学校体育連盟アーチェリー専門部 会報」をもらったが、日本中のアーチェリー専門部に所属する学校の掲載があった。
なんだ、こんな便利な物があったんだ。以前のウェブサイトでリンク集に高校アーチェリー部を掲載するのに、私は日本中の学校のウェブサイト、全部見て調べたんだけど。
漏れが無いかチェックしてみると・・その時点で個人登録してるの、息子だけ。
まあ、そのくらい他の生徒は部活動でしか登録がないって事だね。個人で活動してても、高体連には登録しないアーチャーも多いのではないかな。
大学生・短大生・高等専門学校生(4年生以降〜):全日本学生アーチェリー連盟(略称:全学連)がある。登録は下部組織の地域別の学生アーチェリー連盟に加盟する事。
これも学校単位だが、個人登録もあり。ただ大学の場合はリーグ戦が中心のようなので、個人登録だとあまり活躍できないかも。
運動部ではなく、アーチェリーサークルなどの場合もある。この場合は学連に所属していない可能性が高い。
まあ高校生とは違って、がんがんバイトすればお金もかせげるし、ある程度の自由はあるから、自力でガンバ!
医科学生は6年制であるため、4年制大学とは別に医科学生アーチェリー団体があり、医科学生アーチェリー大会が開催されているようだ。



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